福永さん喜び新た 第53回北日本文学賞贈呈式

第53回北日本文学賞の贈呈式が26日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山であり、応募作1063編の中から「種を蒔(ま)く人」で受賞した福永真也さん(37)=愛知県大府市、無職=に忠田北日本新聞社長から賞状と記念牌(はい)、副賞100万円が贈られた。

 

富山ゆかりの作家で選者の宮本輝さんと地元選考委員らが出席。地元選考委員を代表して山形大教授の加藤健司さんが選考経過を説明した。祝辞で宮本さんは「入賞と選奨の3人に差はなかった。選評できついことを書いたのは、文学はそう甘いものではないと言っておかなければならないと思うからだ」と述べた。

 

入賞作「種を蒔く人」は、他人の土地に無断で種を蒔いた叔父に振り回される青年を主人公に、父や叔父との微妙な距離感や複雑な心の動きをつづった。10回目の応募で受賞した福永さんは「挑戦を続ける中で、これまで文学について何も分かっていなかったと知った。おごりにならないよう、きょうの喜びを記憶したい」と語った。

 

選奨となった「ピカドンと天使と曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の石井渉さん(80)=大阪府吹田市、ジャズミュージシャン=と、「穴の底の」の関野みち子さん(70)=同府東大阪市、会社顧問=にも賞状と記念牌、副賞30万円が手渡された。

 

受賞作の朗読番組を収めたCDが福永さんには水野清北日本放送常務から、石井さんと関野さんには蒲地北日本新聞社取締役事業局長から、それぞれ贈られた。

 

北日本文学賞は、個性豊かな書き手の発掘を目指し、1966年に創設。原稿用紙30枚の短編を全国から募っている。地元選考委員の加藤さん、第3回受賞者の林英子さん、元聖徳大教授の八木光昭さん、県芸術文化協会名誉会長の吉田泉さんが最終候補作6編を絞り込み、宮本さんが入賞と選奨を決めた。

 

 

出典:北日本新聞社「福永さん喜び新た 第53回北日本文学賞贈呈式」

2019.02.04

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